はじめに

私はポスドク一万人計画によって博士号を取得した中の一人である。基礎研究を充実させ、日本を科学技術立国とするための大いなる計画は、出口戦略の欠如という形で、多くの若者たちの人生を狂わせた。私も学位を取って以来、不安定なポスドクの地位で何とか食いつないできたものの、ついに任期が切れて失業した。

このブログは“日記”と銘打ってはいるが、リアルタイムで書かれているものではない。これを書いている現在、私は職探しで公募書類と格闘する身ではない。幸いにして、とある大学の教員として採用の内定をいただくことができ、着任までの日々を過ごしている。

この最悪の境遇から生還した者として、着任までの間、無為に過ごすのではなく、“博士が失業するとどうなるのか”をまとめ、今後同じ境遇になるであろう人たちに情報を提供しようと思う。売国政権である民主党のパフォーマンス“事業仕分け”に震え上がった、とある研究所の理事たちが、ポスドクの放逐を始めたと聞く。ポスドクの失業はこれから本格化すると言っていい。このブログに書いたことが、読者の皆様にとって、何かの役に立てば幸いである。

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